アンバサダーが導く「アンリオトリロジー」の世界

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テロワールを表現するために
  • 第1回 シャブリの常識にとらわれない

    ドメーヌ ウィリアム フェーブル(以下フェーブル)の訪問は畑から始まりました。この日はあいにくの曇り空、すぐにでも雨が降り出しそうな空模様です。先にコート ドールを訪れた私たちは、車の中から見えるシャブリの畑の様子に少し寂しいものを感じました。それは、コート ドールに比べ作業をしている人が圧倒的に少ないからです。シャブリは多くの作業が機械化されているため、畑に人が少ないのです。世界的に需要が高く、シャブリという名が付いていると売れる・・・、そのような状況があるからかもしれません。

  • レ クロ畑に立つセギエ氏
  • そんな中、人々が作業している畑が見えてきました。そうです、そこはフェーブルの畑です。フェーブルでは雨の日でも作業の人がいるほど、常に畑に人がいるそうです。
    醸造責任者のディディエ・セギエ氏はアンリオ家がフェーブルを取得した1998年、31歳という若さで醸造責任者に就任しました。彼が就任後すぐに変えたことは、手で収穫し、選果台を導入したこと。周りの生産者からは「なんでそんなことをしているんだ」と驚かれたそう。現在でもシャブリで手摘みと選果台を使用しているのは、フェーブルとドメーヌ クリスチャン モローのみ(2012年7月現在)。クリスチャン モローも息子のファビアン・モローがフェーブルで研修後に導入したそうです。

現在フェーブルはビオロジック農法を行っており、グラン クリュ畑はすべてビオディナミ農法を実践しています。これもシャブリでは珍しいこと。しかも約47haと広大な面積を所有、そのうち15.2haグラン クリュを所有しているのはシャブリ最大です。セギエ氏はシャブリの常識にとらわれず、ブドウにとって、ワインにとって良いことは、どんなに手間隙がかかっても実践しています。これもそのような姿勢を理解するアンリオグループだからこそでしょう。

  • 左からドース氏、セギエ氏、大越氏
  • 最初に着いたのはグラン クリュ レ クロ畑。ディディエ氏と共に案内をしてくれるのは栽培総監督のドース氏です。レ クロは最も広いグラン クリュで南東から南西に向いた斜面にあります。斜面の上部はキンメリジャンの痩せた土壌で、下部は肥沃で粘土質土壌、そして勾配は上部の方がきつく下部はゆるくなっています。そのため上部は水はけが良く、痩せているためブドウが深く根を張り、ミネラル感・酸味豊かで凝縮感のあるブドウがなります。フェーブルでは4haすべて斜面の上部に所有しています。

  • レクロの樹
  • まず畑で目に付いたのは、樹齢の高さです。4ha所有している内、2haは先代のウィリアム・フェーブル氏が1940代に植えたもの。ディディエ氏曰く「樹齢が古い樹は根を深く張ります。また、葉が小さく生育スピードがゆっくりであるため、小さい実がなります。そのため、ミネラル感豊かで、構成力があるワインができるのです」。シャブリでは若い樹が多い中、フェーブルではレ クロを始め多くの畑で樹齢の高い樹が植えてあります。

もう一つは、密植率の高さです。フェーブルでは平均1ha当たり9,500本。シャブリの平均が5,500本ですので、倍近く! また、仕立ても平均120〜130cmのところ、フェーブルでは147cmと平均よりも20〜30cm近く高めに仕立てています。高く仕立てることにより、葉が日に当たる面積が広くなり、ブドウの糖度を上げることができるそうです。

レ クロを見ただけでも、フェーブルの畑の中にはたくさんのこだわりが見つかりました。次の回でもフェーブルの畑のこだわりと特徴を引き続きご紹介します。

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