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ドメーヌ デ セネショー

アリゴテの個性と魅力を世界に知らしめた造り手

フランス/ローヌ

ドメーヌの歴史

20世紀初頭にレノー家により設立されたドメーヌで、この地区で最も古いドメーヌの1つに数えられます。ドメーヌ名は「ボワ ド セネショー(修道士たちの森の意)」というリユディに起因。90年代にはジゴンダスで成功を収めていたルー家が取得し、40haから最良の区画25haのみに縮小しました。

2007年にはシャトー ランシュ バージュを所有するカーズ家が取得。前所有者の時代から手腕を発揮していたベルナール トランシュコスト氏を筆頭にチームはそのまま残り、また「テロワールを一番良く理解している」彼らの経験と知識が活かされています。

栽培

白用品種の畑は約3haで、アペラシオンのほぼ中央に位置する土壌は粘土石灰質であるボワ・セネショーに、ルーサンヌ、グルナッシュ・ブラン、クレレット、ブールブランが栽培されています。
赤用品種の畑は約22haで、粘土石灰質のボワ・セネショー、珪石に覆われたレヴェ、砂礫質のラン・ピエールの3区画に、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、ヴァカレス、サンソーが栽培されています。
ボワ・セネショーはこのドメーヌが単独所有しています。西向きの斜面で比較的冷涼、下部は湿気を吸収させるために雑草を生やし、上部は除草するなどベルナール氏とそのチームが熟知した土地で丁寧な仕事を行っています。

醸造

手摘み収穫されたブドウはすべて手でセメントやステンレスの発酵槽に入れます。発行中は温度管理し、ルモンタージュ、ピジャージュを実施。熟成にはムールヴェードルは50hlの大樽を、その他はバリックを使用します。白はルーサンヌのみバリックを使い、その他はステンレスタンクを用います。
2006年以降はランシュ バージュから譲り受けたバリックと大樽を併用するようになりました。良質な樽はボルドーやブルゴーニュに回ってしまい、この地方ではなかなか入手できなかったものが、ランシュ バージュのお蔭で入手できるようになり、ワインに幅と複雑味をより持たせることができるようになりました。

<<Colimn コラム>>

ドメーヌ セネショーはシャトーヌフ デュ パプ村のまさに中心、郵便局前にある。郵便局前というと街中にあるようだが、アペラシオンの名声とは裏腹に村は小さく質素で、ドメーヌも牧歌的な雰囲気をたたえている。

そんなドメーヌにも大きな変化が訪れた。2007年にシャトー ランシュ バージュで有名なボルドーのカーズ家にその経営を委ねたのだ。カーズ家というと星付きのレストランを経営し、ランシュ バージュも世界的に成功を収めているワイン業界の「勝ち組」だが、取得後もワイン造りには一切口を出さなかったようだ。醸造責任者のベルナールは「カーズ後も従業員は誰一人変わっていないし、我々のやり方を尊重してくれている。変わったことといえば良質のバリック樽が手に入るようになったことぐらいかな」そういう彼もワインの評価が上がり人気ドメーヌとなった後も、素朴な人柄で誠実な仕事を続けている。

ワインは一言で言えばバランスのとれたタイプ。赤は長期熟成を目指しながらも早く飲んでも楽しめる洗練された側面を備えており、白はたっぷりとしたこの産地の特徴をベースにしつつもすっきりとした余韻で仕上げている。多様な品種や区画に合わせて、セメントやステンレスを発酵に使い分け、熟成にもこの地方伝統のフードルやランシュ バージュで使用した1年樽、それにステンレスなどを併用する、そんな細やかな配慮がこのスタイルをもたらしているのだろう。