
オレムスの畑は17世紀初頭、ラーコーツィ1世の時代、王家に所有されていました。1630年、牧師セプシ=ラツコー・マテーがオレムスの畑からとれたブドウで造った甘口ワインを「トカイ アスー」(トカイのフリーランの意)と呼んだことからトカイの歴史が始まります。当時トルコ戦争が長引き、収穫が遅れてしまったブドウを諦めきれずにワインを造ったところ、奇跡的なワインが生まれ、当時人々から敬われていたラーコーツィ1世の妻ジュザンナ妃に感謝のしるしとしてこのワインが献上されました。
トカイは太陽王ルイ14世により「王のワイン」と賞されたことに始まり、世紀を越えて、世界でその品質を讃えられてきました。その後ラーコーツィ2世が相続し、没後畑は修道院に寄贈され、その記念に教会が建てられ「オレムス」の名が刻まれました。後にハプスブルクからハンガリーを独立に導くラーコーツィ2世は、世界に先駆けてトカイの畑の格付けを制定、1737年にはさらに階級を制定し、グラン クリュが誕生。その後、オレムスの畑は、30もの所有者に分割される困難な時代が続きました。1993年からアルバレス家がオレムスを所有し、過去のすばらしい栄華を取り戻すべく、あらゆる改革に取り組んでいます。
ゼンプレン山脈の麓、トカイ ヘジャリヤ地区の中心に115haの畑を所有。ボトログ川沿いの標高約200m、南向きに位置し、山脈が北風から畑を守り、日照を確保した場所です。寒暖差の激しい大陸性気候で、乾燥した夏の終わりに雨が降り、秋の終わりに晴れた日が続き、その後降雨と霜が降りた時のみブドウに貴腐菌がつき、風と日照がその後の貴腐化を促します。
- トカイ オレムス
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