情野氏:ちょうどニューオータニにトゥールダルジャンがオープンする時で、フレンチのトップの1つであるトゥールダルジャンでぜひ働きたいと思い入社しました。最初は特にソムリエを目指していたわけではなかったのですが、サントリーがシャトー ラフィット ロートシルトと提携することが決まった時にトゥールダルジャンでパーティを開催し、その時に余ったラフィットを飲ませてもらったことがありました。それで「ワインってこんなに美味しいものなんだ!」と興味を持ち、ワインを勉強するようになりました。
その後も、トゥールダルジャンで様々なワインと出合うことができ、ソムリエを志すようになりました。
情野氏:トゥールダルジャンではとても良い経験をさせてもらいました。ただ、この先スタッフを管理するポジションに就くよりも、まだサービスの仕事を続けたいと考えていた時、アピシウスから声が掛かりました。
入社する前にアピシウスで食事をした時に、「こんなに美味しい料理を出すこのお店で一生働きたい」とシェフの料理に心震えました。
シェフはオープン以来30年ずっとアピシウスで働いているのですが、その時食べたのは海がめのスープで、今では日本で食べられるのはここだけではないかという非常にクラシックで希少な料理です。このクラシックで王道のフレンチが、アピシウスの魅力の一つです。
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情野氏:はい。オープンから30年間買い続けてきた豊富なストックがあり、古いヴィンテージも充実しています。今私が選ぶワインも、今使うことよりもこの先自分が退職した後もずっとこのワインリストが続くことを考えて選んでいます。 |
情野氏:一つは、ソムリエはワインの造り手と飲み手の両方からお話をお聞きすることができることですね。造り手が大切に造ったワインを良い状態でお客様にお飲み頂くためにはサービスが重要になりますので、いつも身が引き締まる思いでサービスしています。
また、ソムリエは単純に技術や知識を持っていることが大切なのではなく、お客様にご満足頂くためにサポートすることが大切だと思います。「美味しかったよ、ありがとう。また来るね」とお客様にご満足頂けた瞬間に立ち会うことができるのも、この仕事の醍醐味だと思います。
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今年30周年を迎えるアピシウスは、食、ワイン、サービス、美術品と「様々な本物に出合うことができるレストラン」です。廊下を進んでいくとロダンの彫刻やシャガールの絵を間近に見ることができ、高まっていく期待感と共にメインダイニングに入ると、アールヌーボー調の内装にユトリロなど数々の素晴らしい絵画が飾られていて、アピシウスだからこそ実現できた特別な空間が広がります。 クラシックな王道フレンチに、30年間の歴史を感じる充実したワインリスト、心地よい距離感を保ちながらも緊張感を解してくれるサービス…、まさにグランメゾンのフレンチを堪能することができます。 |