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アンバサダーが導く「アンリオトリロジー」の世界

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生産者との出会い アンリオ、フェーブル、ブシャールで状のソムリエが現地フランスで出会った生産者たちの想いを届けます。
Champagne Henriot 第1回「シャンパーニュ アンリオのセラーマスターとして」

アンリオアンバサダー情野さんの現地研修渡航は、今年もシャンパーニュ アンリオ(以下アンリオ)からスタートしました。アンリオのメゾンではセラーマスターのローラン フレネ氏(以下フレネ氏)が、忙しい中かけつけてくれました。

ローラン・フレネ氏
ローラン・フレネ氏

「アンリオの基本的なスタイル、ピノとシャルドネを半分半分というスタイルは、マリアージュ(結婚)という幸せのストーリーから生まれている」、とまずはメゾンの歴史の話から始まりました。アンリオ家の自社畑、ピノ ノワールの畑は、18世紀末のアポリーヌ ゴディノ嬢との結婚により、またシャルドネの畑は、それから約1世紀後のマリー マルゲ嬢との結婚により、アンリオ家にもたらされたもの。この2つのマリアージュが、現在も続くアンリオのアッサンブラージュ(ブレンド)の基本、ピノ ノワールとシャルドネにこだわったスタイルを決定付けています。

フレネ氏はモンターニュ ド ランス生まれの生粋の「シャンパーニュ」育ち。アンリオ社で働く前は、シャンパーニュの中でもシャルドネの多く植えられているコート デ ブランで仕事をし、そして2006年からアンリオ社で働いています。「セラーマスターとして、この都市で生まれ育ったからこそ、わかること、出来ることがあると思うよ。」とフレネ氏。シャンパーニュはブレンドの妙。セラーマスターは、毎年変わらずメゾンの味わい、スタイルを表現する重要な役割を担う仕事。アンバサダーの情野さんが、早速その辺りのことを質問し始めました。

フレネ氏と情野氏 アンリオシャンパーニュ(左から「ロゼ ブリュット」「ブリュット スーヴェラン」「ブラン ド ブラン」「ブリュット ミレジメ」上:フレネ氏と情野氏
下:アンリオシャンパーニュ
(左から「ブリュット ロゼ」
「ブリュット スーヴェラン」
「ブラン ド ブラン」
「ブリュット ミレジメ」)

情野氏:アッサンブラージュとは非常に重要でデリケートな作業だと思いますが?

フレネ氏:そうですね、様々な段階で何度もテイスティングをしながら、最終的な形を決めていく作業です。

情野氏:一般的にスタンダードのシャンパーニュは、すっきり、さっぱり、キレのよいといったものが多いですが、アンリオは明らかに違いますね。

フレネ氏:グランキュヴェを造るのは、ある意味簡単です。ですがそれは全体の5%の過ぎません。それ以外のスタンダードのシャンパーニュをいかにハイレベルにつくるかが重要です。スタンダードキュヴェこそ、アンリオ家の顔になりますから、非常に重要です。ここには全神経を使ってあらゆるノウハウを結集して造っています。
情野氏:なるほど。

フレネ氏:アンリオのアイデンティといっても過言ではないでしょう。お客様とのファーストコンタクトでもありますし、ここを入り口にその上のキュヴェを知ってほしいと思っています。

情野氏:スタンダードのキュヴェのパフォーマンスがよいのは大切ですね。これを飲むとメゾンのスタイルや考え方が分かります。 アンリオの味わいには複雑味がありますが、フレネさんはどのあたりに気をつけてブレンドをしていますか?

フレネ氏:日々の作業の積み重ねです。一つ一つの仕事がアンリオのスタイルの実現に重要な役割を果たしているからです。どこのテロワール(畑)のワインを使うか、より良くあるために毎年こだわって選んでいます。原酒の取捨選択(ブレンドに使う、使わない)の決断も非常に重要です。品質に関しては、常にトップクオリティのシャンパーニュのメゾンであるという自信を持って造っています。

情野氏:ボトルのパッケージなどに関しても、自ら携わっているのですか?

フレネ氏:それはマーケティングのチームに任せています。私の仕事はこういうワインをつくるという決断をしてかたちにすること。お互いにスペシャリストなので、その部分は彼らを信頼しています。
例えば昨年末にリリースしたロゼミレジメのトリロジーボトル(スペシャルパッケージ)は、まずワインのテイスティングから始まり、それによりリリースが決まりパッケージ作成に入りました。アンリオはマーケティング主導のメゾンではなく、まず中身であるシャンパーニュありきなのです。あの時試飲をしていなかったら、トリロジーの製品化はなかったでしょう。

フレネ氏自らデコルジュマンしていただきました
フレネ氏自らデコルジュマン
していただきました

大手のメゾンとは異なり、アンリオは家族経営のシャンパーニュメゾン。セラーマスターのフレネ氏のメゾンでの仕事も多岐にわたります。在庫の管理、そして実際に畑に出ている責任者に電話をかけ、畑の状況を確認したり必要なものがないかどうかも確認するのも彼の仕事。ラベル貼りの現場にも足を運び、見て回るなど、毎日色々な仕事をしているので、常に忙しい、と話していました。
2012年のアッサンブラージュが終了したばかりとのことで、少し余裕のある表情で、カーヴを案内。カーヴでは昔ながらのナイフを使ったデコルジュマンの業を見せてくれ、89年のミレジメを振舞ってくれました。

第2回「家族経営が可能にする贅沢な造り、そして味わい」へ

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