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アンバサダーが導く「アンリオトリロジー」の世界

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生産者との出会い アンリオ、フェーブル、ブシャールで状のソムリエが現地フランスで出会った生産者たちの想いを届けます。
Champagne Henriot 第2回「家族経営が可能にする贅沢な造り、そして味わい」

シャンパーニュメゾン アンリオ
シャンパーニュメゾン アンリオ

セラーマスター(醸造責任者)のフレネ氏と一緒に、各キュヴェのシャンパーニュを試飲しながら、アンリオならではの贅沢な造り、味わいについて語っていただきました。

過去には、大手メゾンの傘下に入るのが主流となった時期もありましたが、最近ではまた家族経営のメゾンが増えてきている中、アンリオ家は、ゆるぎない家族経営を続けています。
その家族経営がゆえに、最初から最後まで自分たちの哲学に基づいてシャンパーニュを造り、その造ったシャンパーニュが飲み頃を迎えるまで贅沢なまでにゆっくりと熟成させてからリリースすることができるのです。この熟成の長さがアンリオの1つの強みであることは間違いありません。
加えて、素材となるぶどうの質の良さ。アンリオのシャンパーニュに使われるブドウは、7割は格付畑のものを使用しています。そしてその7割のブドウから、約3割をリザーブワインとして毎年キープしています。フレネ氏は、「使っている素材が優秀であるため、通常の法定機関15ヶ月の熟成では短すぎます。熟成期間が長くなるのは当然のことです」と当たり前のように話してくれました。

テイスティングルームにてフレネ氏テイスティングルームにてフレネ氏

試飲は「ロゼ ブリュット」からスタート。

情野氏:ロゼから始めるのは酸が少ないからですか?

フレネ氏:アンリオのラインナップの中でピノ ノワールが突出している唯一のキュヴェがロゼです。このワインがある意味異質であるため、このワインから最初に試飲します。アンリオのシャンパーニュは、基本的にはシャルドネをいかに表現するかということを念頭に造っています。ロゼはピノ ノワールが約6割の赤ワインと白ワインのブレンドです。ロゼを造る際に、色をつけることには全くこだわっていません。味わいと香りのバランスを考えて赤ワインを造ります。

情野氏:どのくらい混ぜるのですか?

フレネ氏:ベースの赤ワインは約14%。このベースの赤ワイン自体の色が淡い色合いです。色を出すことより果実を求めてワインを造ります。今のベースワインは2008年。イチゴやイチゴジャムのような分かり易い香り、アフターにクリーミーさがあり、このクリーミーさがアンリオのスタイルといえますね。複雑味というよりアンリオスタイル、それから若干のフレッシュさのあるロゼです。

情野氏:フレッシュというよりもまろやかですね、赤ワインを感じます。

フレネ氏:そうですね、確かにアフターには赤ワインが確かに感じられます。知る人ぞ知る、通のためのロゼ。ブリュットと同じく2/3がプルミエクリュとグランクリュの畑のぶどうで造っています。

情野氏:白身の魚より赤身の魚が食べたくなるイメージですね。赤ワインを感じるからでしょうか。

フレネ氏:そうです、でも赤味の肉ではないでしょう?

情野氏:そうなのです。アペリティフにもよいですね。続きを飲みたくなる、後を引く味わいですね。

フレネ氏:美しくエレガントなロゼカラーですから、見た目も食前酒に向いていますね。

続いて「ブリュット スーヴェラン」の試飲。

フレネ氏:ブリュットは、2008年がベースワインです。27%のリザーブワインが入っています。3年熟成させてもまだまだポテンシャルがあります。アンリオの中ではエントリーシャンパーニュとして位置づけられますが、これをエントリーというのは正直もったいないですね。私の中では、すべてがトップクオリティのシャンパーニュ。このワインを造るときも、そういう気持ちで向かっています。

情野氏:これに関しては、価格がアンリオのシャンパーニュの中ではエントリーというだけですね。

フレネ氏:多くのメゾンの同じレベルのワインをブラインドで試飲してみることがありますが、分の中ではいつもトップ3に入るワインです。

情野氏:複雑で香ばしい、食事の最初から最後まで楽しめるワインですね。構成の強さもある。海老などの甲殻類とあわせたら美味しいそうですね。

フレネ氏、情野氏
ブラン ド ブラン
上:フレネ氏、情野氏
下:ブラン ド ブラン

そして「ブラン ド ブラン」の試飲。

情野氏:ブラン ド ブランは、モカやトーストのような味わいがありますね。

フレネ氏:通常のブラン ド ブランは酸を連想させる青い香りがありますが、アンリオのものは、ぶれないスタイルがあります。

情野氏:飲んだ時に、いつもほんのり甘いと感じますね。残糖というより熟したぶどうを感じます。

フレネ氏:素材由来ですね。ブリュットもブランもドサージュはほぼ変わりません。どちらも8-9g/Lです。ブラン ド ブランのベースワインは2006年。最初はフレッシュでミネラルベースのワインでしたが、熟成を重ねてモカのような味わいに変わってきました。白桃のような香りが最初はありましたが、デニッシュ系の香りに変わり豊かさを感じるアフターのワインになりました。グランモンターニュのシャルドネ由来かもしれません。

情野氏:ブラン スーヴェランという名前だったときの印象から、変わっていますね。

フレネ氏:そうですね、仕事のやり方は全く変わっていませんが、近年クオリティーが上がっているという自負があります。

情野氏:驚きですね。

フレネ氏:アンリオで働く人の中でも、ブラン ド ブラン好きが多いのですよ、実は。

情野氏:ブリュットが美味しいのはある意味当然ですが、ブラン ド ブランのこの質は素晴らしいですね、本当に驚きました。

フレネ氏:そういって頂けると嬉しいです。私たちが力を入れている商品でもありますから。

情野氏:フレッシュなフルーツを使わない、パイ生地、ビスケットなどのデザートと合わせるのもいいですね。上質なヴァニラアイスと合わせても、最高です。

アンリオのスタイルがぎゅっと詰まったスタンダードシャンパーニュ。伝統を重んじ贅沢な造りを守り続けています。

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