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2019年7月25日(木)

ベルトランが造るプレミアムロゼ「クロ デュ タンプル」

現地情報

ラングドックを訪問中、南仏のプレミアムワイナリーとして躍進目覚しい「ジェラール ベルトラン」からなにやら気になる話が耳に入ってきました。

販売価格としては2万円をゆうに超えるであろうスーパープレミアムな「ロゼ」、その名も「クロ デュ タンプル」が完成したとのこと。名前は日本語に訳すと「寺院の区画」といったところでしょうか。そして産地はカブリエールという聞きなれぬ所。

この渡航で出会ったラングドックの人たちは、ロゼについて話すとき、どこか楽しげでした。
彼らに言わせると、フランスロゼ発祥の地はここラングドック、カブリエールでありさらにはあの太陽王ルイ14世も好んで飲んだのがこのカブリエールのロゼワインなのだと。
(こういう話は当然諸説あると思いますが)
そんな豊かな歴史的背景がありながらも、日本では未だ目にすることの少ない産地で造られるプレミアムロゼ。気にならない訳がありません。早速畑に行きました。

ナルボンヌから北東に向かい、車に揺られること1時間強。
転げ落ちそうになるほどの急斜面が複雑に入り組む、人影のない丘陵地にその畑(クロ)はありました。
うねる様に道が続く畑の急斜面に立って後ろを振り向くと、左手遠くに亀の甲羅のような形をした大きな岩山がアクセントになる山並みが広がります。
まるで、大自然のなかにぽつんと取り残されたような印象を受けました。

この神秘的な土地に惚れ込んだベルトランのオーナー、ジェラールはこの辺りの土地を山ごと120ha取得。約38haのブドウ畑の中に、ローマ時代のころからブドウ栽培が続けられている特別な8haの区画があります。
そうです。これが「クロ デュ タンプル」の区画。
この特別な、歴史的な区画から年産わずか8,000本のスーパープレミアムなロゼが生まれます。

35度をゆうに超える中、木陰を見つけて試飲タイム。
色調は淡く上品なセピア色で、味わいもどちらかというと白ワインに近い。
上品な樽のニュアンスが感じられ、ぐびぐびと飲むのではなくじっくりと飲みたいワイン。
驚かされるのはその「余韻」。まるで山奥の寺院で鳴らされた鐘の音が徐々に減衰しながら静寂の内に溶け込むかのように、長く長く、口の中で伸びていきました。

このプロジェクトが始まった当初は、カブリエールの他の生産者もこれほどまでに高価なロゼを生み出すことにどこか懐疑的だったそうです。しかし、その出来に驚き、今ではどうやったらこのような高価格に値する品質のロゼが造れるのかとアドバイスを求めてくるようになったそう。
「周辺生産者のなかでもじわじわとプレミアムロゼに対する意識が変化してきたことが感じられるんだ」と、畑を案内をしてくれたジョナタンさんは嬉しそうに教えてくれました。

この素晴らしいロゼは日本での発売も決定。
9月下旬入港予定、数量も限られますがどうぞお楽しみに!