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アンバサダーが導く「アンリオトリロジー」の世界

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  • 第1回 緻密な研究と丁寧な作業
  • (左)大越氏(右)ティエリー氏
  • ドメーヌ ブシャール ペール エ フィスの訪問は、畑の見学から始まりました。案内は西山氏と栽培管理長のティエリー・ド・ブイヨ氏です。ブシャールは130haの自社畑を所有しています。それを200以上の区画に分け、ターシュロンと呼ばれる社員が決まった区画を担当し、栽培しています。ターシュロンは現在38名、一人当たり3ha程度担当しています。モンラッシェで会ったターシュロンは家族3代に渡りブシャールのモンラッシェを担当している方。ブシャールではターシュロンたちを招いて出来上がったワインをテイスティングし、一緒に改善点を考えるなどして知識と経験の共有をしています。
    彼らの他に季節労働者や重機専門のスタッフなど約50名が畑で働いています。それを総合的に管理・指導しているのがティエリー氏です。130haもの広大な面積を所有していると管理がとても大変ですが、南北48kmに渡っているため作業が南から北に少しずつずれ、上手く作業を分けることができるそうです。また、雹が降ってもダメージを受けるのが一部だけで済むという利点もあります。

  • ブシャールではリュットレゾネの認証を取得しています。この認証は畑だけのチェックではなくワインの中身も2年おきに検査されるそうです。畑で使うトラクターや機材も認証を受け、肥料の量や回数も決められているなど、とても厳しい決まりがあります。ムルソーやモンテリー レ デュレスなど約20%の畑ではビオロジック農法も行っています。また、トロフォビオーズというドメーヌ ウィリアム フェーブルでも実践している農法も取り入れていて、これは化学肥料の使用は最小限に留め、少量の有機物を撒いてブドウの自己治癒力を高めるというホメオパシーの一種です。化学肥料の使用を最低限にするもしくは使わないという農法を行っているため、小さなエリア毎の気象情報を専門機関から12分おきに入手し、かかりやすい病気など予測して適切な対応を行うことが重要となります。

  • 殺虫剤の代わりにコンフュージョン セクシュエルを使用
  • 最初に訪問したのはモンラッシェとシュヴァリエ モンラッシェ畑です。ブシャールではこの2つの畑の間にシュヴァリエ モンラッシェ ラ カボットという特別な区画を所有しています。写真をご覧ください。モンラッシェ畑からシュヴァリエ モンラッシェ畑を見上げた写真なのですが、左奥の方に少し盛り上がっている箇所があるのがおわかりでしょうか? ここがシュヴァリエ モンラッシェ ラ カボットです。元々モンラッシェとして管理されていたのですが、INAOが間違えてシュヴァリエ モンラッシェと登録してしまいました。土壌や区画の位置を見るとシュヴァリエ モンラッシェよりもモンラッシェに近い特徴を持ちます。そのため、ブシャールではこの区画のブドウをシュヴァリエ モンラッシェ ラ カボットとして醸造しています。

シュヴァリエ モンラッシェは3段の段々畑になっていて、ブシャールはすべての段の区画を所有しています。3段とも日照条件や土壌が異なるため、別々に醸造して最終的にブレンドしています。畑は表土が薄く乾燥しやすいため、松科の木の皮を表面に撒き土の乾燥を防いでいます。微弱なタンニンがあるため雑草の繁殖や虫除けにもなっています。また、何種類か選抜した植物を植えている区画もあります。どの植物が最適か実験しているのですが、ブシャールではこのような実験をいろいろ行い、その土壌にあった最適なものを時間をかけて選んで実施していきます。この研究熱心さがブシャールの特徴の一つでもあります。数年後には選ばれた植物が松の皮の代わりに水分をコントロールし、また土に窒素をもたらすようになるそうです。

(左)松の皮を撒いている区画(右)植物を植えている区画

第2回「テロワールを体感」へ

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