次に醸造所を見学しました。まずは、ブドウが運び込まれ、選果をする場所です。フェーブルでは収穫の際に小型のプラスチックケースを使用しています。このケースはブドウがつぶれないように重ねることができ、かつ小型のバンで収穫したらすぐに畑からこの醸造所に運んでくるため、醸造所には洗浄されたきれいなケースが並べられています。
醸造所のメンテナンスをしている方がいらっしゃったのですが、実はこの方、収穫時以外は大工として醸造所のメンテナンスを行い、収穫時はブドウのプレスを管理していて、30年以上もフェーブルで働いているそうです。このように労働を確保することにより、良い人材が確保でき、技術が伝えられていきます。
収穫台は、良い天候のヴィンテージの時は1台当たり2人で選果を行い、良くない天候のヴィンテージの時は8人で、かつ選果台のスピードを遅くして作業を行います。プレスは1時間半から2時間かけて行われ、そのままプレス機の下にある小型のタンクに移されます。
下の階に行くと、タンクが1つから3つに分かれているステンレスタンクが整然と並んでいます。現在区画を80区画に分けているため、それらがすべて個別に対応できるようになっています。タンクが1つから3つに分かれているのは、区画の大きさが異なるためです。
このステンレスタンクは温度管理されているのですが、タンクの周りに水滴が付くためその水を集めて再利用するなど、醸造所も環境を意識した造りになっています。
奥へ進むと樽のメンテナンスが行われていました。フェーブルでは新樽は使用していないため、ブシャールから平均5年使用した樽を購入して使用しています。さらにその奥に進むと樽熟庫があるのですが、地下で井戸もあるため、温度・湿度共にワインの保管に適した環境です。
1階にあるテイスティングルームに移り、2010年のテイスティングを行いました。2010年はミルランダージュが多かったため収量が少なく、また収穫時に北風が吹いたためブドウの実の水分がなくなり、全体的に凝縮感のあるワインとなりました。2007年に匹敵するキレイな酸味があり、かつ凝縮度も高いので、プルミエ クリュやグラン クリュは長期熟成が可能なヴィンテージです。大越氏曰く「フェ−ブルの2010年は全体的に、密度や凝縮度が高く、旨味や酸味のコントラストが村名シャブリからも感じることができる」そうです。
畑の見学を通し、土壌や畑の向きなどを理解した後のテイスティングは、各畑の個性をより鮮明に感じることができました。
例えば、プルミエ クリュ レ リスは北から北東を向いていて、プルミエ クリュの中であまり日照に恵まれていない「冷たいテロワール」です。最初に香りを嗅ぐと柑橘系の香りがあり、そしてミネラリー、フローラルな印象です。飲むと美しい酸味や塩味が美しく伸びます。
一方、南から南西向きで日当たりの良い「暖かいテロワール」のヴォロラン。唯一グラン クリュに接しているプルミエ クリュの畑です。香りの段階でレ リスより力強さを感じます。口に含むとより凝縮度があり、ジューシーでハチミツのような甘さがほんのり感じられるような厚みのある味わいです。「同じ食材を合わせる場合でも、レ リスは塩味を生かした調理をし、ヴォロランはバターなど少し濃厚な味付けをするなど、違う楽しみ方ができそうです」と大越氏。
1階にあるテイスティングルームに移り、2010年のテイスティングを行いました。2010年はミルランダージュが多かったため収量が少なく、また収穫時に北風が吹いたためブドウの実の水分がなくなり、全体的に凝縮感のあるワインとなりました。2007年に匹敵するキレイな酸味があり、かつ凝縮度も高いので、プルミエ クリュやグラン クリュは長期熟成が可能なヴィンテージです。大越氏曰く「フェ−ブルの2010年は全体的に、密度や凝縮度が高く、旨味や酸味のコントラストが村名シャブリからも感じることができる」そうです。