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アンバサダーが導く「アンリオトリロジー」の世界

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アンバサダー現地レポート
  • 第2回 次世代に受け継ぐためのワイン造り

    実際に畑を見学すると、ワインの味わいとその畑の特徴が直結していることがわかります。どの方向に向いていて日当たりはどうか、斜面か平らか、石が多いか粘土が多いか、などそれぞれの条件が異なる味わいを表現していることが、目で見て、手で触れて、畑を歩き、伝わってきます。下の写真はシャブリのグラン クリュの俯瞰図です。向きや傾斜の違いが一目瞭然です。

同じ畑でも区画によって個性が異なります。例えば、グラン クリュ ブーグロ。上の方はほぼ平らな緩やかな斜面で粘土、土が多い土壌に比べ、下は急な斜面になっていて土が流れるため、石が多い土壌となっています。下の写真をご覧ください。ブーグロはほぼ平らでパッと見て茶色い土が目立ちます。一方コート ブーグロは畑の前に人が立つとその先に壁があるように見える位急な斜面(最大傾斜40度!)で、表面も白っぽく石が多いことがわかります。そのため、フェーブルでは上の区画のものをブーグロとして、斜面の区画のものをコート ブーグロとしてリリースしています。

左:ブーグロ、右:コート ブーグロ

  • 畑を案内してもらっている時に、輸出・広報担当の西山氏から面白いこだわりを教えてもらいました。フェーブルでは区画毎に誰が担当するというのが決まっているのですが、男性ばかりを同じ場所にしてしまうと男性は競争心が燃え、早く作業することに集中し丁寧さが欠けてしまうことがあるそうです。そのため、自分のペースで丁寧な作業をする女性を一緒に担当させることで、正確な仕事が行われるようにしているそうです。人の手で一つひとつ作業を行っているフェーブルならではのこだわりですね。レ プルーズ畑で実際その光景が見られました。畑の下から見ていたのですが、急勾配で登るのも大変そうな場所で1本1本丁寧に作業を行っていました。

  • 黒い線が電熱線
  • フェーブルではビオロジック、ビオディナミ農法を実践していますが、それは「自然に優しいワイン造りを行い、次世代にこのシャブリのワインを受け継いでいきたい」という想いから行われています。そのためビオを実践しているだけではなく、環境に優しい取り組みも行っています。例えば日当たりが良く芽吹きが早いヴォデジールでは、霜の害から芽を守るためにストーブを設置していますが、石油ストーブではなく電熱線ストーブを使うことによって、ススが出ないような工夫をしています。川に近いコート ブーグロでは川の水が活用できるためスプリンクラーを設置し(上の画像で白い線のように見えるのがスプリンクラーです)、表面を凍らせて霜の害から守る取り組みを行っています。醸造所内でも、ステンレスタンクを冷やした際に出る水を集め再利用するなど、様々な取り組みを行っています。

第3回「冷たいテロワールと暖かいテロワール」へ

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